「カルマ」とは何かをWEBで調べてみるとスピリチュアルなお話がたくさん出てきます。Google先生に聞いてみると「カルマ」とは、サンスクリット語で「業(ごう)」を表し、因果応報の法則、行為と宿命には原因と結果の関係があるという古代インドの思想と教えてくれました。
今でこそ「カルマ」という言葉が広く出回っているけれど、私が子供のころ父や母、祖父母から
「悪いことしたら自分に返ってくるよ。良いことしても同じように返ってくるよ。」と、聞かされていたのですが、これに当てはまる言葉がなかっただけで、知らず知らずのうちの「カルマ」の教えてが日本人にも沁みついていたのかもしれませんね。仏教の国ですから、ありえますよね。
そんな「カルマ」の教えを我が子にもよくしていたのですが、実際に「これがカルマかも!?」と
思ったことが最近ありました。
それは、息子の野球チームでの出来事。
息子がアメリカに来て初めて野球のトラベルチームに所属することになりました。息子も私も誰も知らない環境で、コーチとも一言二言しか言葉を交わしたことがなかったころでした。
日本と同様、試合になると親御さんたちが自身のチーム側に持参した椅子を用意し観戦します。新入りの私としては、チーム側に座っていてくれると、チームメイトの親御さんとわかり挨拶しやすく助かりましたが、この日は球場に常設しているベンチの座って試合が始まるのを一人で待っていました。
すると、ヘッドコーチと息子がなにやらヒソヒソ話をしてかと思ったら、コーチが此方に向かって歩いてくるではありませんか。プレイヤーベンチのすぐ後ろが観戦席だったので、明らかに私目指して歩いているのがわかり、内心
「えー!?なに?なに?クレーム!? 偉そうに座りすぎ?」と
内心ビビりな私は、顔に出さないようにヘッドコーチが近づいてくるあいだ頭で心当たりをグルグル巡らせ待ち構えていました。
すると、ヘッドコーチは私の目の前に来たかとおもった途端、ニコっと笑うなり
「Hey! akane! タンジョウビ、オメデトウ!!」
と、私に向かって日本語で大きな声で叫びました。
「!?」
驚きと嬉しさで、自然と表せる感謝を全身で表現しながら、
「Thank you! ありがとう!!」
と、英語と日本語でお礼を言うと、「ちゃんと言えてた!?」と照れながら聞いてきました。
なんと素敵な!!
一人で感動に浸っていると、すぐに試合が始まり感動したまま試合観戦することになりました。試合が終わり帰路につくときに、息子がコーチとの段取りを教えてくれました。
前日も試合だったのですが、その日はヘッドコーチの誕生日だったそうで子供たち全員で試合前にお祝いを伝えていた時に、話の流れで息子が翌日は私の誕生日だということをコーチに伝えていたそうです。それを知ったヘッドコーチが日本語でお祝いを伝えよう!と思ってくれたらしく、目の前でヒソヒソしていたのでは、息子がコーチに日本語を教えていたのでした。
あー、なんて素敵な…(2回目)
少しだけ日本語を知っているアメリカ人が私が日本人だとわかると、好意で「ありがとう」や「こんにちは」など、簡単な日本語で話しかけてくれることはあるけれど(それはそれで、とても嬉しくて感謝の気持ちでほっこりする)異国の、ましてや難しい日本語を全く知らないところから子供に学び、伝えてくれるという行為が、こんなにも嬉しくて、感動するものかと。
知らない言語だけれど、それに挑戦しようと思う気持ちがとても嬉しい。
しかも、私にしっかり伝わったとわかると私よりもテンション上がってイェーイ!って喜んで息子とハイファイブしていた。
彼は、長い間この息子のチームで野球のコーチをボランティアで務め、このシーズンが終わると勇退した。子供の野球に長いことが携わるのは、本当に簡単なことではない。私も小学校の野球チームのコーチを少しだけ務めたことがあるので本当に尊敬します。でも、そんな彼だからこそ、こういう粋なことを簡単にやってのけるのかもしれないですね。
家に帰っても、ほっこりした気持ちでいると昔同じようなことがあったことを思い出しました。
もう20年くらい前の話。ブルガリアから日本にやってきた2人の女の子たちとお友達になりました。
彼女たちは遠く祖国に子供や家族をおいてミュージシャンとして日本に来ていました。いつもニコニコしていて若くチャーミングな彼女たちと一緒に食事したり、神戸で船に乗ったりと、一緒に楽しい時間を過ごしていましたが、ふと<ブルガリア>ってどこにある国だろう。。。と興味を持ち始めていました。だって、ブルガリアっていうと<ヨーグルト>のイメージだけだったので(笑)
浅学だった私に彼女たちは<ブルガリア>という国について色々教えてくれました。そして、2人で一緒に来たから淋しさは少しはましだけど、やはり国に残してきた子供たちに会いたいし、ブルガリア料理も恋しい。と少し寂しそうな顔で話してくれました。
そこで、なんとか彼女たちの寂しさを癒すことができないかと思い、ブルガリア料理を作ろうと思いましたが、当時今のようにインターネットが発達していなかったのでレシピを探すことができませんでした。そこで、彼女たちとは英語でコミュニケーションをとっていたのですが、母国語の<ブルガリア語>は、彼女たち2人しか話さないことに気が付きました。そこで、
これだ!
と勝手にピンときた私は、さっそくブルガリア語の本を探しに本屋に向かいました。だけど、なかなかブルガリア語の本が見つけられませんでした。そこで、大きな大きな本屋に向かい国際言語の棚を隈なく探していると、薄ーーーーーい<ブルガリア語>というテキストブックを見つけました。そこで、彼女たちがいかに遠い国からきているのか、実感させられました。
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テクストブックを開いてみると全く見たこともない文字が並んでいて、全部は覚えられませんでした(笑)。とりあえず、簡単な挨拶の言葉だけ頭に入れて彼女たちに会う日まで練習しようと、基本中の基本「こんにちは」に神経を全振りすることにしたのです(笑)
そして、ついに彼女たちに会う日がやってきました。そこで勢いよく
「Добър ден! (こんにちわ!)」
と言ってみました。発音がわからなかったから、きっと彼女たちからしたら、おもいっきりカタカナ日本語だったと思うけど、とても喜んでくれました。その後、テキストブックを見せると他の言葉や発音を教えてくれました。すごく難しかったのを覚えています(笑)
もう20年以上も前の話だけど、野球のヘッドコーチのお陰で彼女たちのチャーミングな笑顔も思い出すことができました。「カルマ」なのかはわかないけれど、心があたたかくなったのは間違いない素敵な週末を過ごすことができました。

<おまけ>こんな広い野球場があちこちにあるのは、日本からすると凄く羨ましいはず…。
instagram.com/akane.1555 インスタでもアメリカ生活のこと紹介してます。
よかったら覗いてみてくださいね。
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