愛しさと恋しさと、ことわざと

海外生活

昔流行った曲の題名のようなタイトルですが、春になると日本が恋しくなる今日この頃。

私が住んでいるアメリカの地域は、冬に学校が休みになるほど積雪があり冬がながいため、春が恋しく思うのかもしれません。最近は暖かい日が続き、日が長くなってきたことから春の訪れを感じ始めましたが、やはり日本の春が恋しくなるのです。

では、なぜ春は春でも日本の春が恋しくなるのか…。

それは、ある「花」のせいなのです。

勿体つける必要もないのですが(笑)日本の「春」で「花」といえば、日本人ならすぐピーンとくると思います。ご想像通り、日本で春のお花と言えば、日本の国花の一つでもある「桜」ですよね。

日本では3月後半頃からテレビで<桜前線>について報道され始め、日本全国にある桜の名所がテレビで紹介されると、お花見の場所取りで大変だとか、桜にちなんだスイーツが発売されるとか、春についての明るいニュースがたくさん取り上げられます。まさに季節が冬から春へ移り変わる合図って感じで、子供の頃から変わることなく見ていた光景だったと思います。

アメリカに来る前は、そんな朝の報道番組を横目に「お花見したいねー。いつがいいかなー!?どこに行くー?」なんて言いながら、会社や学校に遅れないようにバタバタと用意をするのが新学期が始まった光景でした。私たちが住んでいたところには、小学校までの並木道には桜が並び、すぐ近くに海外通りの散歩道と公園にも桜がたくさん植えられています。また、家の裏にある公園は桜の木で埋め尽くされていて、桜が咲いた週末には家族連れなどで賑わいます。決して大きな公園ではないのですが、桜が一気に咲くとその景色は圧巻です。なので、この時期は通常の散歩道から変更して、誰もいない公園に朝早くリリーさんと散歩に行くのがとても楽しみでした。この時ばかりは早起きが億劫に感じなかったですね。リリーさんは散歩嫌いなので嫌がっていましたが(笑)

でも、いつもの散歩道や公園も桜が咲くと全く違う場所に感じられ、立ち止まって見上げる動作が多くなるのですが、リリーさんもこの時期だけは珍しく立ち止まって座ってくれます。いくら人間みたいなリリーさんでも、桜を見上げて情緒に浸るほどの人間力が携わっているとは思えないので、春になって出てくる虫の音が聞こえていたのか、春の匂いを嗅いでいたのかもしれませんね。

※リリーさんのお話は別に紹介しています https://akaneablog.com/category/shiba/

アメリカにきて初めて過ごす春に、そんな日本の生活を思い出して日本の桜が恋しく感じると思っていなかったので、自分でもビックリしています。これが年齢からくる憂いなのか日本人だからなのか、はたまたホームシックなのか…。実態がよくわからない感情のままアメリカの春を感じながら昼頃、家に着き玄関に続くポーチを歩いていると、ある一本の木が目に留まりました。今まで玄関横に植えられている木をまじまじと見ることがなかったのに、この日はとてもいい日でふと目に飛び込んできたのです。

「あれ?この幹にあるシマシマの模様、どっかで見たことあるな…。」

そう思った瞬間、ハッ!としました。

桜やん!桜の木やん!!

誰もいない玄関ポーチで気づいたら大声で叫んでました(笑)

そうなんです。あんなに恋しかった桜が1本だけ家に植えられていたんです。今住んでいる家を訪れる時は夏休みか冬休みで、しかもい裏口から出入りしていたので全く気付かずでした。こちらに住み始めた時も秋だったということもあり、その後常に雪が積もっている状況で幹も見えず全く気付くことなく。人の思い込みとは怖いもので、まさか桜の木なんて植えているわけがないと思っているので気づかなったのです。これこそまさに

「灯台下暗し」

私の人生の中で、この言葉を実際に使うときがくるなんて思ってもみなかったです(笑)小学生の頃、漫画で学ぶことわざの本を好んでみていた中に描かれていた「灯台下暗し」。例題の漫画でわかりやすく教えてくれてたけれど、実際に使う時がくるなんて(笑)

桜の木を発見してから、すぐに肌寒かった日々が和らぎ小春日和が続いたことで「ここにずっといてたよ!」と言わんばかりに、たくさんの桜の花が咲き誇り、存在をアピールしてくれました。私より長い時間、この家で過ごしていた旦那さんも全く気付いていなかったようで驚いていました。

そして、そんなたくさんの花を目いっぱい咲かせてくれた桜を家族で見上げながら、故郷へ想いを馳せていると、桜を見てこんなに感動してる自分に驚くと共に「自分は日本人なんだなー」って思っていると旦那さんが隣で

「日本のさくら見たいなー。お花見したいなー。焼き鳥食べたいなー。」

なんて、切ない顔で憂ってました(笑)

そこで私の<日本人だから桜に想いを馳せていた説>は速攻で消えたのでした(笑)

instagram.com/akane.1555 インスタでもアメリカ生活のこと紹介してます。

akane

40代後半で突然のアメリカ移住。
国際結婚していても英語が堪能なわけではない。
やる気とポジティブだけで生きてきた生粋の関西人の私が
異国で奮闘する様子をひとり言のようにつぶやいております。

akaneをフォローする
海外生活
akaneをフォローする

コメント